
2019年の入社以来、ディフェンスシステム事業部でキャリアを積んできた宮地 航太。さまざまな「情報」の価値が高まる中、防衛分野で情報を適切に活用するためのシステム導入に携わっている宮地が、株式会社日立製作所(以下、日立)で働くやりがい、自分たちが担うミッションについて語ります。
高まる「情報」の価値。日立の技術力で防衛分野のニーズに応える
防衛・航空宇宙・セキュリティ分野を支える技術開発を担うディフェンスシステム事業部。宮地は現在、防衛分野における中央省庁向けのシステム導入プロジェクトに携わっています。
「私たちが取り組んでいるのは、情報分析システムの導入です。いわゆる後方支援にあたる部分で、防衛省や自衛隊などの機関が迅速で適切な判断・意思決定をするために必要な情報を整理し、見やすく提示するシステムを構築しています」
国内外でさまざまな情勢の変化が起こっている昨今。防衛分野においても「情報」の価値が高まっていることが、このプロジェクトの背景です。
「目には見えづらい部分ですが、有事の際に備えて情報分析の重要性が増しています。私たちのシステムは、世の中に大量にあふれている情報を収集し、分析して活用することで防衛分野に貢献することをめざしています」
宮地はこのプロジェクトにおいて、お客さまである官公庁とやりとりしながら、事業をどう進めていくかという舵取りをする役割を担っています。
「大きなミッションの中で、どの部分に焦点を当てて進めるべきかというビジネス的な視点を持ちながらお客さまとやりとりしています。その結果をチームに還元し、それぞれの専門分野を担当するメンバーと意見交換し、レビューをしていきます。
他の事業も含めたさらに大きな視野でプロジェクトを見ている上位層と各専門メンバーとの間に立ちながら、プロジェクトをまとめていくのが私の仕事です。
現在は提案フェーズなので5〜6人のメンバーとともに進めていますが、これから開発フェーズに入っていくと、さらに多くのメンバーが参加していく予定です」
ハードとソフト、提案から維持保守まで。幅広い経験が積める環境に惹かれて入社
学生時代は工学部で情報系の分野を専攻していたため、就職先は広くIT業界を志望していたという宮地。その中で日立を選んだのは、会社説明会での出会いがきっかけでした。
「説明会では、グループに分かれて先輩社員と談話する時間がありました。その時、私が座っていたグループに来たのが、現在の部署の社員だったんです。
そこで、防衛分野の仕事はマシンなどのハードウェアからソフトウェアまで幅広く扱うこと、提案から開発、維持保守まで大きな枠組みの中で回しているため、システムエンジニアという仕事で関わることはほぼすべて経験できる領域であることを教えてもらいました。
私はいろいろなことに挑戦したかったので、その話にとても魅力を感じましたし、学校ではハード面を含めた研究をしていたので、その経験も生かせるのではないかと考えました」
また、選考過程で感じた話しやすい雰囲気も決め手の一つだったと言います。
「サポートしてもらったリクルーターの先輩が、細かい点でも時間を作って相談に乗ってくれたのです。親身に話を聞いてくれる、相談しやすい社風があるのだと感じました」
入社後、2カ月半ほどの基礎研修を経てディフェンスシステム事業部に配属されると、システムの入れ替えプロジェクトに参加。希望通り提案から維持保守まで一連のフェーズを経験することができたと振り返ります。
「私が配属されたタイミングは、現行システムの維持保守をしながら、入れ替えのための提案をしている段階。そのため、1〜2年目は維持保守に携わりながら、防衛分野のシステムはどのようなものかを学びました。お客さまとやりとりする場にも早くから参加させてもらうなど、お客さまの生の声を聞く機会があったことで早期に理解が深まったと感じます」
1年目から主体的に考えて発言できる環境が、成長を後押ししてくれる
2年目の後半には新たなシステムの設計がスタート。翌年にはシステムのリプレイスが完了するなど、プロジェクトは順調に進行。宮地自身も成長の手応えを感じることができたと言います。
「防衛分野のシステムに関する知識が深まったことはもちろんですが、最も変化を感じたのは、お客さまや社内とのコミュニケーションです。バックグラウンドとなる知識が増えたことで、お客さまだけではなくチームのメンバーに対しても、『このデータは、こういった見せ方をすれば使いやすいのではないか』といった提案ができるようになりました」
さらに、お客さまと接する際に大切にすべきことも見えてきたと続けます。
「プロジェクト自体は比較的規模の大きなものですが、その中でお客さま一人ひとりが何を目標としているのか、何を実現したいと考えているのかを理解することです。
ビジネスとして全体を捉えることはもちろん、一人ひとりがどこに問題意識を持っているのかを知り、どうしたら喜んでもらえるのかを考えながらコミュニケーションをとること。その上で、そのニーズを全体に還元していくことが大事なのだと考えています」
一連のステップを経験し、4年目から現在の役割を担うようになった宮地。早くから大きなプロジェクトを主導する経験ができることにやりがいを感じていると語ります。
「私の年齢でこの規模のプロジェクトにリーダーとして関われることは、官公庁とのプロジェクトも多くある日立ならではの環境ではないでしょうか。
若手社員であっても自分の考えや意見を述べる機会を多く設けてもらえることも、成長を後押ししてくれていると感じます。1年目から、事業の方向性などを話し合う場に参加させてもらえますし、自分の考えを発信しても、まずは受け入れてもらえます。ベテランから若手まで、それぞれ見えている世界が違うからこそ、さまざまな知見を持ち寄ってベストな方法を皆で考えようという風土があるのです。
さらに、経営層に向けての社内プレゼンなどを任せてもらうことも。もちろん、しっかりフォローしてもらえますし、そういった経験がお客さまとコミュニケーションをとる際にも生きています。この環境があるから、主体的に考えたり、発言したりといった経験が積めるのだと感じています」
新しい技術を使いやすい形にして社会に還元することが、自分たちのミッション
現在は、マネジメントのポジションへと移行し、自分なりのスタイルを探りながらさらに成長を続けています。
「立場が変わったことで、5年や10年といった長期的な視点でプロジェクトを考えるようになりました。将来を見据えた時に今のシステムがどのような位置づけになるのか、その上で今何をすべきなのかを意識するようになったのです。
また、働き方も変えなければいけないと考えています。これまではプレーヤーとして自分の仕事にフォーカスしていましたが、今はプレーヤーの目線も持ちつつ、チームメンバーを信頼して仕事を適切に振り分けること、何か起きた時に自分が対応できるような余裕も持っておくことを心がけています。でも、まだまだ試行錯誤中です」
着実にステップアップしながらキャリアを積んでいる宮地。次は、自身がリーダーとしてプロジェクトを推進していくことが目標です。
「次回のシステム入れ替えの時には、私が中心となってプロジェクトを動かせるような力を身につけておきたいですね。プロジェクトマネジメントのスキルがついたら、防衛分野を自分の得意ジャンルとしながら、さらに幅広い分野でプロジェクトを動かしてみたいと考えています」
そして、自分自身の成長を通して、日立という会社の存在価値を高めることも目標の一つ。
「DXを推進していこうという世の中の流れがありますし、AIなどの新しい技術も続々と出ています。ただ、新しい技術は誰にでも使いやすいわけではありません。それを使いやすい形にして社会に還元していくことが私たちに与えられたミッションなのだと思います」
日立がDXを牽引する存在になるために、熱意を持ってお客さまに貢献できる人とともに仕事がしたいと宮地は話します。
「今の自分が持っているスキルをさらに伸ばしてお客さまの役に立ちたい──その熱量はお客さまに伝わると思うんです。それがコミュニケーション力を磨くことにつながると思いますし、お客さまとの信頼関係にもつながると思います。
そういった想いを持った人たちと、お客さまにより大きな価値を提供していきたいですね」
※ 記載内容は2024年9月時点のものです