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BUSINESS 2024.03.29

地中可視化サービスでインフラ保守に変革を──現場のデータ化でめざす持続可能な未来

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公共システム事業部の増田 真也。現在は「地中可視化サービス」を担当し、下水道管路施設の設計・施工業務の効率化に向けた仙台市との共同研究にも従事するなど、埋設管路の設計や施工の課題解決に取り組んでいます。プロジェクトに参加して再認識した日立の強み、社会インフラ保守プラットフォームに携わる醍醐味を語ります。


この記事の目次

レーダー探査とAI解析技術で埋設物情報を一元管理する「地中可視化サービス」

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株式会社日立製作所(以下、日立)では、地質調査業界最大手の応用地質株式会社(以下、応用地質)との協創事業により、地中の埋設物情報を2次元および3次元データで可視化する「地中可視化サービス」を開発しています。

「埋設管に関する情報は、ガス、水道など各インフラ事業者が個別に管理しているため、工事に必要な情報収集には多くの手間と時間がかかります。また、図面と現場の実物の位置が相違することが多く、これが工事の停止や手戻り作業の発生、場合によっては埋設管の損傷事故につながることもあるなど、正確な埋設物情報の一元管理へのニーズが高まっていました。

こうした社会インフラ保守における課題を解決するために開発されたのが、地中可視化サービスです。当サービスでは、応用地質が保有する地中レーダー探査技術によって埋設物のデータを取得し、日立のAI解析技術を駆使して位置座標を高精度にデータ化した上で、プラットフォームで一元管理・提供しています。

レーダー探査機器を搭載した専用車を用いて広範囲にデータを取得できる点、AI解析技術による高精度かつ迅速なデータ解析ができる点、Web上からアクセス可能なSaaS型プラットフォームを利用している点が大きな特長です」

地中可視化サービスの企画段階から携わってきたという増田。立ち上げのきっかけは、水道事業向けに提供していた別のサービスからの着想だったと振り返ります。

「漏水を高精度に常設監視・検知する『漏水監視サービス』の開発・提案を推進する中で、地中の管路が図面と異なるケースが多く、維持管理や管路の設計・施工時の課題になっていることがわかってきました。これを解決しようと始まったのが地中可視化サービスです。

事業者の方々の業務効率化に貢献することはもちろんのこと、少子高齢化の中で進む人財不足の課題解決や、大規模災害に向けた備えといった面でも貢献できるサービスになればという思いで開発をしていきました」

新たな繋がりの中で発展していくサービス。壁を乗り越え、共同研究へ

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地中の埋設物情報の広域的な可視化は前例のない取り組み。開発を進めていく上では、壁に直面した場面もありました。

「地中の埋設管路を広域かつ連続的に可視化する前例がなかったため、さまざまな場所や条件下での検証を繰り返しながら、探査が容易な環境とそうでない環境をまず見極める必要がありました。

AIの精度を向上させるためには管路設計や施工を手がけるインフラ事業者の協力を得て、実証を重ねる必要があったのですが、当初はそうした繋がりもなくパートナー企業やフロント営業と連携しながら、新たなネットワークを構築していきました。

最大の課題は、誰もまだ見たことがない技術に対するお客さまの理解を深めること。地中可視化サービスが埋設管路の設計・施工業務の効率化に貢献することは明らかでしたが、従来の業務プロセスを変えるのは容易なことではありません。試掘して現物を確認する文化が業界に根づく中、掘削せずに高い精度が得られることへの認知を促すためにはどうすればいいかと頭を悩ませました」

そんなとき、東北支社のメンバーから、仙台市との共同研究の可能性があるとの話が伝えられました。

「仙台市では、下水道管路施設の老朽化にともなう道路陥没などの事故発生を未然に防止するために、センサーやレーダーといったデジタル技術を活用し、年々増加する施設の点検・調査や改築工事を計画的に効率よく行うための検討が進められていました。

まさに、地中可視化サービスが役立てられる領域です。自治体では民間企業に比べて新しい技術の導入に対する障壁が高い傾向にありましたが、仙台市の担当者の方々が、私たちの取り組みに賛同してくださり、共同研究に進むことになりました」

共同研究を通じて手にした確かな成果。さらなる精度の向上に向けて

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2021年から2023年にかけて、2段階に分けて実施された共同研究。プロジェクトを通じて大きな成果が得られました。

「地中可視化サービスによって可視化した3次元の地中データを実際の試掘調査結果と比較したところ、第1フェーズでは目標としていた精度には達しませんでした。試掘調査後に埋め戻した状態で探査を行なったため、地質の不均一さなど悪条件が重なったことが原因です。

そこで、第2フェーズでは別の地点で探査後に試掘を実施。高い精度で埋設物の現況を検知できていることが確認されました。

さらに、運用面について検討を重ねた結果、設計の初期段階で可視化データを提供することにより、埋設物の位置の図面との相違や工事中の予期せぬ埋設物の発見による追加試掘調査や設計変更の手間を削減し、工期短縮に貢献できる見込みを得ることができました」

現地に足を運んで試掘にも立ち会ったと言う増田。共同研究を終え、IT技術を活用した社会インフラ保全の未来に向けて、確かな手ごたえを掴んだと言います。

「プロジェクトの立ち上げ当初から、さまざまな事業者がデータ連携しながら工事計画を推進することで、業務負担の軽減と設計・施工業務を大幅に効率化できると考えていました。共同研究の成果報告会において多くのインフラ事業者の方からデータ連携に対する期待の声も得られ、私たちのめざす世界観が間違っていないことを確認できたのは大きな収穫です。

また、お客さまだけでなく、近隣住民や施工者にとっても、予算や計画通りに設計・施工を進めていくことがいかに重要であるかを再確認する貴重な機会にもなりました」

第1フェーズに関するプレスリリース後、仙台市以外の政令指定都市からの問い合わせが相次ぎ、中には新たな案件につながるケースも。サービスの今後を増田は次のように展望します。

「地中可視化サービスをお客さまの業務によりフィットした形で提供していきたいと考えています。共同研究で得た成果や知見を生かし、改善を図りながらより良いソリューションへと育てていくことが目標です。

さらに、各事業者からいただいたデータ連携実現の期待の声も踏まえ、これまでよりもひとつ高い視座で、理想とする社会インフラ保全に向けて挑戦を続けるつもりです」

未来を、支える。ブランド力と組織力を強みに日立だからこそできる社会インフラ保全を

一連のプロジェクトへの参加を通じてあらためて日立の魅力を感じたと話す増田。さらにこう続けます。

「技術面での品質向上に取り組む研究所のメンバーや、各業界にコネクションを持つ営業のメンバーなど、さまざまな分野の専門家と連携を取りながら、業界を超えてサービスを提供できるのは、日立ならではの強みです。

業界最大手の応用地質が当社を協創パートナーに選んでくださったのも、AI解析をはじめとする高い技術を武器に、各業界へとアプローチできるポテンシャルがあると認めてくださったからこそ。日立のブランド力や組織力のなせるわざだと思っています。

また、仙台市の担当者の方からは、難しいと思われるような検討事項にも当社が真摯に対応したことが、共同研究の完遂要因だったと評価いただきました。日立創業の精神にあるように、常に当事者意識を持って誠実に取り組むところに、当社の強みがあると考えています」

そんな増田がいまめざすのは、「社会インフラサービスを止めない」こと。実現したい未来があります。

「現在の社会インフラの多くは、高度経済成長期、つまり約半世紀前に構築されました。時間の経過とともに老朽化が進行し、改善と保守が不可欠となっていますが、少子高齢化による労働人口の減少を受け、建設業界では人財不足の問題が深刻化する一方です。

そんな中、地中可視化サービスは、社会インフラを安定的に維持管理していく上で大きな可能性を秘めたソリューションだと思っています。例えば、データ取得の範囲を地中から地上へと広げるなど、業務効率化を通じて社会インフラ保守に貢献できる余地は小さくないはずです。

さらに地震などの自然災害に備え、被害を最小限にとどめて迅速に復旧させる上でも、私たちのサービスは重要な役割を果たすことができると考えています」

日立だからこそ描ける社会インフラ保全の未来をめざして。増田の次なる挑戦が、ここから始まります。

※ 記載内容は2024年2月時点のものです

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