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BUSINESS 2023.10.31

先進技術で材料開発を加速。部門間連携でシナジーを起こし日立ならではの課題解決策を

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2017年入社の照屋 絵理。研究開発グループを経て、現在は公共システム事業部 デジタルソリューション推進部でマテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発支援に取り組んでいます。理学から工学、R&Dから事業部へと活躍の場を広げてきたキャリアの変遷をたどりがなら、日立で働く魅力を語ります。


この記事の目次

日立との出会い。理学から工学、アカデミアから企業で働く研究者へ

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早くから世の理(ことわり)に関心を持っていた照屋が大学院で学んだのは原子核理論物理学。原子核の構造や性質を明らかにすることをめざし、とくに重い原子核の原子核構造の数値解析などに従事しますが、修了後は企業で働く研究者の道へ。株式会社日立製作所(以下、日立)を選んだのは、事業領域の広さに惹かれたからでした。

「高校生のころから自然科学全般に興味がありました。中でも物理を専攻したのは、すべての根本をなす学問だと思ったからです。宇宙の始まりを扱うのも、ミクロな世界を扱うのも物理。まずは物理を学んでから化学や生物を勉強したいと思っていました。

博士課程まで進み、そのままアカデミアに残ることも考えましたが、好奇心に導かれるまま就職活動を始めたところ、縁があったのが日立。幅広い事業を手がける世界でも有数のものづくり企業がどんなBtoBビジネスをしているのか知りたい気持ちから入社を決めました」

入社後、照屋が配属されたのは研究開発グループのテクノロジーイノベーションセンタ。テキストマイニング系の技術開発に携わりました。

「通常、文献などでは文章が自然文で書かれていて、機械的に処理するのは困難です。テキストマイニングとは、そうしたテキストデータを定量的に扱い、有用な情報を抽出・出力すること。自然言語処理、つまり言葉をコンピュータで処理・分析する技術の研究開発をしていました」

理学系出身の照屋にとって、テキストマイニングやものづくりはまったくの専門外。ITの知識から日立の研究に対するスタンスまで、いちから学び直す必要がありました。

「研究を始めるために、クラウド上に計算環境をつくる方法を先輩から教えられたのですが、当時の私はIT未経験。前提知識がないため、最初のころは用語の意味がひとつも理解できませんでした。

また、日立では工学系の考え方、つまり社会や人にどう役立つかが重視されますが、私が大学院で追求してきたのは真理。探求志向から目的志向へとなかなかうまくスイッチできずに苦労したのを覚えています」

そんな照屋にとって仕事への意欲を高めるきっかけになったのが、お客さまの存在でした。

「自分がつくったものがお客さまの困り事の解決につながり良い反応をいただけると、自分の仕事に確かな価値があると理解できます。研究室にこもって作業するのも楽しいのですが、対話を通じてお客さまの課題を掘り下げ解決策を提案し、その実現に向けて研究開発することが自分には向いていると思っています」

MI×テキストマイニングで材料開発に革命を。先端技術が切り拓くものづくりの可能性

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入社後、自然言語処理技術の研究開発を経て照屋が携わることになったのがマテリアルズ・インフォマティクス(以下、MI)でした。

「従来の材料探索では、研究者の知識と経験を頼りに化合物の選定・設計が行われ、合成実験と特性評価を繰り返すのが一般的でした。ところが近年、材料データやAI技術などを活用することで材料開発を高速化・効率化する技術であるMIによって開発期間やコストを削減しようとする動きが強まってきています。

例えば、原料の材料種別、混合比率、加圧時の温度といった材料に関する情報や、合成の結果できあがった物質の特性のデータがあるとします。実験をする前に、AIなどの技術を使ってこれらのデータを分析して候補となる素材や実験条件を選定することで、材料開発を大幅に効率化できるというわけです。

どんな製品も何らかの材料からつくられています。ものづくりにおいて、材料はすべての始まり。材料の工程を変えることができれば、ものづくり全体を変えていける可能性があると思っています」

MIによるデータ分析を成功させるためには、ある程度まとまったボリュームの実験データが欠かせません。そうしたデータ準備の工数を削減する上で有用なのが、照屋が専門とするテキストマイニングです。

「材料実験においては、ひとつ実験をするにも数カ月、場合によっては数年単位の時間がかかることもあるなど、大量の実験データを取得するのは容易ではありません。そこで、自然言語処理技術を用いて論文や特許に含まれる過去の実験に関する情報を抽出し、MIで使えるように加工するのが私の役割。数万点に及ぶ文献やデータベースからテキストマイニングを行っています。

ただ、MIにテキストマイニングを掛け合わせようとする取り組みは実ビジネスにおいて前例は多くなく、手さぐりで進めている部分が少なくありません。とくに難しいと感じているのがAIの運用です。うまくデータを取り出せるかどうかはAIの使い方次第。精度を上げることもさることながら、より良いデータ取得のあり方を模索しているところです」

研究開発グループにいたころからお客さまと接点をつくることを心がけてきた照屋。お客さまとコミュニケーションを重ねる中で、研究者としてだけでなくビジネスパーソンとしても成長してきました。

「研究開発をしているとどうしても技術ありきの考え方をしてしまいがちですが、お客さまの関心事はどんなことがどれくらいのコストや期間でできるか。技術は手段でしかありません。ヒアリングを積極的に行うなど、お客さまに寄り添うことをいつも心がけています。

また、ビジネス感覚にも磨きがかかりました。いかにお客さまのお役に立ち、売上につなげていくかを常に意識しています」

そんな照屋が公共システム事業部に異動したのは2022年のこと。現在もMIによる材料開発支援に取り組んでいます。

「テキストマイニング、材料データ分析、画像処理の3つチームがあるうち、私が所属するのはテキストマイニングのチーム。プリセールスから契約などの事務手続き、データ分析、そしてお客さまへの報告まで一連の業務を担当し、7人ほどいるメンバーの取りまとめ役を務めています」

大企業の安定基盤とベンチャー気質を兼備。日立だから実現できる新しいビジネスを

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事業領域の広さに惹かれて入社を決めた照屋。実際に幅広い経験をする中で、他社にはない日立の魅力に気づいたと言います。

「私が所属するデジタルソリューション推進部には、年次に関係なく誰もがやりたいことや興味のあることを自由に発言できて、それを自ら推進していける風土があります。前例がないことにどんどん挑戦できるのもそのため。藪をかき分けながら未踏の土地を進んでいる感覚があります。

一方、安定した経営基盤があるのも日立だからこそです。ベンチャーであればまず資金調達となるところですが、提案内容が日立のビジネスとしてふさわしいものであり、そこに正当なロジックがあれば、会社の資金を使ってすぐに開発に取りかかれるケースも。大企業でありながらベンチャー気質があるところに魅力を感じています」

社内やグループ内の豊富なリソースが使えるのも日立ならでは。多様な人財との協創が、新たな価値創出のためのきっかけになっていると照屋は話します。

「研究開発グループに在籍していたころ、鉄道システムや電力システムなどさまざまな研究に関わっている方が近くにいたのはとても刺激的でしたし、他分野の技術から新たな気づきや学びが得られたことが幾度となくありました。

また、部門間・グループ企業間の連携も積極的に行っています。例えば、日立ハイテクでは実験で使用する熱分析装置をはじめ、さまざまな分析装置をつくっていますが、それら装置から得られたデータをMIで解析する作業を自動化するラボオートメーションの取り組みが目下進行中です。解析結果をもとに実験パラメータを自動的に見直しながら再実験を繰り返し、何もせずとも欲しい材料が手に入る仕組みの構築が期待されています。

装置もMIも持っていて、システムインテグレーションまでカバーできる企業はそうありません。事業シナジーが生まれやすい環境があることはとても魅力的だと思っています」

日立が刻む新たな歴史の節目を、開拓者精神を持つ仲間たちと共に

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これからの日立がお客さまに対してより付加価値の高いソリューションを提供していく上で鍵となるのが、同社のDNAに共鳴できる人財。未来の仲間に向けて、照屋はこう呼びかけます。 

「日立が創業からこれまで育んできた価値観のひとつに、『開拓者精神』があります。誰もやったことがないことにも物怖じせず挑み、失敗してもくじけないタフな方が活躍している印象がありますし、そんなDNAを持った方のほうが楽しく仕事ができるはずです。私自身ももともと好奇心が旺盛なほうですが、入社してますます新しいことにチャレンジするようになったと感じています。

近年、アメリカやヨーロッパ、インドをはじめとするアジアの国々など外国籍の方が社内に増えてきました。情報系を中心に物理や化学出身者など、多様化がよりいっそう進んでいます。さまざまなバックグラウンドを持つ方と一緒に仕事ができることを楽しみにしています」

そう話す照屋にはいま、成し遂げたい目標があります。

「文献などの情報をもとにMI用のデータを作成する技術への需要は今後さらに高まると考えています。誰もが自由に利用できるような汎用プラットフォームをつくるのがいまの目標。この先、数年のうちに実現できたらいいですね。

また現在、材料メーカーの方々とお話する機会に恵まれていますが、こんな貴重な経験ができるのは日立の一員だからこそ。これからも、日立にいなければできないことにどんどん取り組んでいくつもりです。そうやって実際に組織の中で手を動かしながら、いずれは日立の会社のビジネスの仕組みについても学べたらと考えています」

社内で脈々と受け継がれてきた開拓者精神と多様な仲間やお客様との協創が、革新的なソリューションを生み出す原動力に。業界の新たなスタンダードを築くことをめざして、照屋の挑戦は続きます。

※ 記載内容は2023年9月時点のものです

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