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BUSINESS 2023.02.06

社会課題を解決し、より良い世界を。想いが“共鳴”し、新サービスの道が拓く

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高橋 陽介は、株式会社日立製作所(以下、日立)の金融ビジネスユニットで、ESGマネジメントサポートサービスの立ち上げに携わり、2023年1月現在はプロダクトマネージャーとしてサービス構造から事業全般のマネジメントを担当しています。ESGのSaaSサービスの事業開発という新分野に挑んだ高橋の、挑戦の軌跡を追います。


この記事の目次

ESGの情報開示を、情報収集からサポートする日立の新サービス

近年、世界的にESGへの関心が高まっています。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせた言葉。それを受け、企業経営においては、ESGを考慮したサステナブル経営が重視されるようなりました。同時に、ESGに関する情報開示の重要性が高まっています。

日立のESGマネジメントサポートサービスは、企業内のESGデータの収集・可視化・分析を効率化してESG情報の開示をサポートし、サステナブル経営を推進するサービスです。プロダクトマネージャーである高橋は、サービスについて、こう説明します。

高橋 「例えば、ESGに関わるCO2排出量、安全衛生、生物多様性に対する対応について、しっかりケアできているか、情報の定義から収集、情報の整理までをサポートし、さらに達成状況のモニタリングをして、改善施策につなげるというPDCAを回すことを支援しています」

ESGの情報開示をサポートするサービスは、他にも多数存在します。その中で、高橋が立ち上げた新サービスは、どのような特徴があるのでしょうか。

高橋 「情報開示で大変なのは、実はデータを集める段階。ただ既存サービスは、情報が集まっていることを前提としたものが多く、日立のようにデータをどうやって集めるか、という部分からサポートするサービスは、あまりないんです。そこが日立のESGマネジメントサポートサービスならではの特徴と言えます」

ただ、日立ならではの新サービスにたどり着くまでには、いくつもの紆余曲折がありました。

お客さまの課題を理解し、DXへの一歩を踏み出すサービスに

ESGマネジメントサポートサービスの源流は、約3年前に遡ります。

高橋 「もともと私に課せられたミッションは、日立の新しいSaaSサービス事業の立ち上げでした。新規事業を企画するメンバーが集まり検討を始め、社会課題を解決するサービス立ち上げようという方向性で一致し、いくつものテーマが挙がりました」

その中の大きなテーマが「ESG」でした。ビジネスにおける重要性を捉えた上で、どんなサービスが必要かをブレストし、ESG情報の開示を支援する開示ツールのアイデアを固めました。高橋は、そのアイデアを持って、日立のさまざまな部署にヒアリングを行いました。

高橋 「当時はESGという言葉がそれほど一般的ではないような時代で、ESG情報開示支援ツールといっても、現場はピンと来ない。現場にとっては、まだ魅力的なサービスに映らなかったんです」

そこで、高橋は、自分たちが発想したサービスを充てにいくのではなく、お客さまが抱えている課題を理解するアプローチに変更しました。そして、現場のお客さまの声から浮かび上がってきたのが、情報収集のプロセスでした。

高橋 「ESGの中でも『労働安全』の分野にフォーカスしたところ、まずどんな情報を集めればいいかが分からない、誰に依頼すればいいか分からないなど、情報収集が大変で、担当者の多くが従業員の命を守るための活動に注力したいのに、情報収集作業に時間を割かれ注力できない状況であることが分かったんです。

そこで情報収集のプロセスを解決できるよう、サービスを組み直していきました」

そうしてでき上ったのがESGマネジメントサポートサービスです。このサービスを導入することで、集めたい情報を簡単に登録し、その上で依頼先リストを利用して依頼を実行できる。回答状況を一覧管理してフォローでき、回収したデータは自動的に集計されるようになります。

高橋 「サービスのユーザーは、ITがメインのスキルではなく、ドメイン業務のエキスパートたち。そういう方々にも、難なく使いこなしてもらえるようなサービスに仕立てることを強く意識しました」

現場の方のスキルを、本当に人間の知見が必要な部分に集中できるようにして、本業以外の業務を効率化することに成功しました。実際に、サービスを利用したユーザーからは、「アナログからデジタルに一歩を踏み出す、良いきっかけになった」と評価を得ています。

今後は、例えば写真を撮るだけで必要な情報がリストアップされるなど、AIを活用したバージョンアップも検討していく予定です。

中長期的の視点から、社会課題を解決するテーマへの投資を惜しまない

高橋 「SaaS事業は、当時の日立としては実績が少ない領域。私個人としても本格的に取り組むのは初めてでした。スタート段階では、経験がない、正解が分からない、社内プロセスもないという、すべてが手探り状態でした」

こうした未知の領域を、どのように乗り越えていったのでしょうか。

高橋 「SI事業であれば、ある程度お客さまが答えを知っていますが、SaaS事業の場合、お客さまも正解が分からない。ですから、まず私たちが答えを定義する必要があります。でも、私が『これが答えです』と言っても、『それ、本当に?』と、みんな、疑心暗鬼(笑)。

答えの定義を持って、まずはユーザーに使っていただき、フィードバックをもらって、すぐに改善していく。それを繰り返すことで、本当に使いたくなる、使ってもらえるサービスに仕立てていきました」

実はそこに、高橋が初めて感じるやりがいがありました。

高橋 「ユーザーの反応を直接感じながらサービスを開発していけるのは、非常にやりがいがありましたし、良い経験でした。ユーザーから『使いにくい!』とストレートな意見をいただくときもありますが、期待されているからこそ。そういった反応も含めて、やりがいに感じますね」

また、ESGというテーマ自体も新しく挑戦した高橋。しかし、その挑戦にも、ある難しさがありました。

高橋 「ESGは中長期的な課題と捉える目線をお持ちのお客さまでないと、サービスの利用は難しくなります」

つまり、お客さまがなかなかつかない可能性や、すぐには売上が立たない可能性があるわけです。

高橋 「日立がすごいと感じるのは、『1年後にいくら儲かるの?』という議論ではなくて、『これからの5~10年で考えると、絶対やる価値があるよね。よし、投資しよう』という判断をしてくれるところ。金融ビジネスユニットの中でも、幹部からESGの重要性を認識し、これまでの社内規則にとらわれることなく協力体制を敷いてもらえました」

何より心強いのは、賛同してくれるたくさんの同士がいることです。

高橋 「日立には、『社会課題を解決するために、こういうことをやっていきたい』という志をもった人財が、たくさん集まっています。ESGサービスのヒアリングをしたときも、『一緒に解決したい』『盛り上げていきましょう!』と意見をもらえました」

SaaS事業、さらにESG分野という2つの挑戦が実を結んだ理由を、高橋は次のように説明します。

高橋 「新しい道を切り拓くことができたのは、私の力というわけではなく、日立のたくさんの人の想いが、うまく共鳴したからだと思います。ふとしたきっかけでこの事業の話が持ち上がり、幹部が『やるぞ!』と背中を押してくれて、そこにみんなが普段思っていたことがうまく共鳴したという感覚なんです。ですから、本当にちょっとしたきっかけで、いろいろな可能性が広がる会社なんだなと、改めて感じました」

企業活動で社会をより良くし、企業価値も上がる──そんな世界観を支えるサービスを

ESGマネジメントサポートサービスをはじめとして、高橋には日立のサービスを通じて、実現したい世界があります。

高橋 「ESGに関する社会課題は、まだまだたくさんあります。今回のESGマネジメントサポートサービスでは、労働安全でしたが、その他、CO2排出や生物多様性、人権問題もある。このような課題に対して企業が目先の利益を追求するだけでなく、社会にプラスの価値を生むような企業活動を展開できれば、さまざまな社会課題が解決され、世の中はもっと良くなるはずです。

でも、そういう企業活動を展開したくても、分からないから、手間がかかるから、と手がつけられないことが多いと思います。私たちは、さまざまな会社の現場で想いを持ちながら、なかなか形にできない方を支援していきたい。企業活動で社会をより良くし、企業価値が上がって、業績も伸びていく──そんな世界観を下支えするようなサービスを提供していきたいですね」

めざす世界観を実現するのに、日立はベストな環境だと高橋は語ります。

高橋 「日立は、社会イノベーションを非常に大事にし、経営のど真ん中に据えている会社。その領域でやりたいビジネスがあれば応援してくれるし、良いアイデアがあれば投資もしてくれる。ESGマネジメントサポートサービスも、そういう環境があったからこそ、育ててもらいリリースすることができました」

高橋がもう一つ感じているのが、マインドの部分。

高橋 「やりたいという気持ちを持つ人、挑戦しようとする人を応援して、事業として育てていこうというマインドをみんなが持っています。これは、日立の創業の精神の中の一つである『開拓者精神』に通じるところで、失敗を恐れず困難にも果敢に挑戦を続ける人を応援してくれます。社会課題の解決に取り組みたい人、挑戦する気持ちのある方にとって、非常にやりがいがあると思いますね」

高橋のように想いを持ち、ともに社会課題の解決に取り組む多くの仲間と、挑戦を応援してくれる環境がここにあります。

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