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BUSINESS 2023.04.20

生活に便利と豊かさを——日立のデジタルソリューションで新たな社会基盤の構築をめざす

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官公庁や自治体などをITの側面から支援してきた株式会社日立製作所(以下、日立)公共システム事業部 ID推進センタ。武田 大輔は2021年からその長を務め、マイナンバー関連のシステムをはじめとするさまざまなプロジェクトのマネジメントを担ってきました。現在推進する事業の概要や、そこで感じた日立ゆえの強み、やりがいを語ります。


この記事の目次

マイナンバー関連システムをはじめ、行政のデジタル化を推進するための基盤づくりに貢献

官公庁や自治体など、公共・社会分野のお客さまをITの側面から支援してきた日立の公共システム事業部。中でもID推進センタでは、マイナンバー関連システムをはじめとする国の中核事業を手がけています。

武田 「2016年にマイナンバー制度が導入され、それにともない、マイナンバー関連の大規模なシステム開発が必要になりました。そんな中、国が運営する中枢的なシステム開発の担い手になるべく発足したのが、ID推進センタです。

マイナンバーカードを使った本人認証システムやポイント給付システムのほか、マイナンバーカードによるデータの利活用を中心に行っていますが、デジタルトラストやデータ連携基盤ビジネスなど幅広い事業を展開しています」

ID推進センタが立ち上がったのは2014年。約10年にわたって社会基盤の構築に貢献してきました。

武田 「ID推進センタが設立されたのは、番号法が成立して間もなくのこと。以来、総務省や内閣府、デジタル庁といった官公庁のほか、自治体など公共領域のお客さまと共に、さまざまなプロジェクトを推進してきました。事業の幅を広げたり、名称を変更したりと何度かの再編を経て今に至っています」

2023年3月現在、武田はセンタ長を務め、約60名のメンバーを束ねています。

武田 「2021年にセンタ長を拝命しました。センタ内では、複数のグループがシステムの開発や設計に取り組んでいます。それらプロジェクトの上位マネージャーという立ち位置で意思決定を行ったり、フロントに立ってお客さまとコミュニケーションをとったりするのが私の役目です」

2つのマイナポイント事業をシームレスに推進。大きく方針転換を経て高評価を得るまで

ID推進センタが手がける代表的なプロジェクトの1つがマイナポイント事業。マイナンバーカードの普及を目的に総務省(現在はデジタル庁)が実施するポイントプログラムのためのシステム開発を行ってきました。

武田 「当事業の発端は、2017年のマイキープラットフォーム構想にさかのぼります。これは、図書館をはじめとする公共施設の利用者カードや商店街のポイントカードなどの情報をマイナンバーカードに集約しようというもので、その実証事業をするところからプロジェクトが始まりました。

マイナンバーカードの普及率の低さが課題となる中、2020年の7月からマイナポイントの申込みがスタート。そのためのシステムを構築するに当たって、マイキープラットフォームをポイント付与のための基盤として活用するかたちで開発を進めてきました」

既存システムがあったとはいえ、開発は一筋縄ではいきませんでした。当時の苦労を武田はこう振り返ります。

武田 「付与したポイントを全国のさまざまな場所で使っていただくために、当初は新たな決済手段が採用される予定でした。ところが、プロジェクトが進むにつれて、決済のためのしくみの導入が足枷となり普及が進まないことへの懸念が高まっていったんです。

そこで目をつけたのが、当時普及し始めていたQR決済や電子マネーといったキャッシュレス決済。翌年に事業開始を控える中、マイナポイントを民間の決済サービスで利用できるようにすべきとの方針転換がされました」

事業への参加を呼びかけたキャッシュレス決済事業者の数は100社以上。1年足らずでそれぞれのシステムと連携し、正しくポイントが付与されるしくみを組み上げていきました。

武田 「プロジェクトを無事に完了できたのは、総務省が中心になってプロジェクトを引っ張ってくださったおかげ。その後を懸命に追いかけるかたちで、共に考えて知恵を出し合った結果、実現できたと思っています」

大規模かつ困難なシステム開発を成功させた武田ら。現在は、マイナポイントの第2弾事業を推進しています。

武田 「消費税増税にともなう反動減を抑える目的もあり、第1弾ではキャッシュレス決済の利用金額の25%のマイナポイントが受け取れるしくみが採用されました。

一方、2022年6月に始まった第2弾では、マイナンバーカードと保険証を一体化させたり、公金受取口座との紐づけをしたりした方を対象に、それぞれ7500ポイントずつ付与されます。そのため、ポイントの給付方法が異なる上、保険証や公金受取口座を管理するシステムと連携させる必要がありました。こちらも急ピッチでの作業となりましたが、半年ほどで対応を終えています」

第1弾と第2弾のマイナポイント事業は、連続するプロジェクトとしてシームレスに進められましたが、第2弾事業を所管したのは総務省ではなくデジタル庁。とりわけユーザビリティの面で大きな進展があり、ユーザーから高い評価を受けていると言います。

武田 「デジタル庁には、デザインを専門とするチームがあります。アプリの使いやすさについて徹底的に議論を交わしたことで、UI/UXが大幅に改善されました。国が開発するアプリにはネガティブな意見が寄せられることが多いのですが、マイナポイントアプリには、『分かりやすかった』『試してみたらすごく簡単だった』といったコメントを多くいただいています。

地域振興券やプレミアム商品券には、スマートフォンなどのIT端末を使わずに利用できるメリットがある反面、本人確認に手間がかかる上、発行するための事務手続きなどに莫大な経費がかかるのが難点です。結果的に、マイナポイントは非常に費用対効果の高い事業になったと自負しています」

プロジェクトの中で見えた日立の強みとやりがい

マイナポイント事業で採用されたシステムはクラウド型。当時まだ馴染みのなかった新しい技術を取り入れようとする中で、日立の強みをあらためて感じたと武田は言います。

武田 「今回のマイナポイント事業は全国民が対象となるため、ピークに耐えられるだけの増強が必要でした。一方、ピークに合わせてシステムを組もうとすると、非常に高いコストがかかります。そこで注目したのが、状況に応じた柔軟なリソースの増減が可能なクラウド型システムでした。

各省庁で情報システムを導入する際にクラウドサービスを優先的に検討する方針、“クラウド・バイ・デフォルト原則”を政府が2018年に打ち出したことからも分かる通り、当時の公共領域ではクラウド型システムでの普及が進んでいませんでした。ID推進センタ内にも経験者がほとんどいない中、クラウドを専門的にやっている部門が社内にいることを知り、すぐさま連携を打診。全面的な協力を得ることができました。

決済事業者とのシステム連携がスムーズに実現したのも、オープンソース・ソフトウェアの領域で世界トップレベルの有識者が社内にいたからです。あらゆるIT分野のプロフェッショナルが在籍しているのは、多彩な事業、多彩なグループ企業を抱える日立ならでは。部門や企業の枠を超えて連携し、新たな価値を生み出していけるところに当社、当グループの魅力があると考えています」

また、マイナポイント事業のような大規模な国家的プロジェクトに関われたのも、日立だからこそ。ID推進センタの仕事に大きな手ごたえを感じていると話します。

武田 「自分を含め全国民が使うミッションクリティカルなシステムを扱う以上、トラブルは決して許されません。責任が大きい反面、誰もが知っている公共性の高い事業に携われていることに大きなやりがいを感じています。

また、公共の領域でお客さまと協創しながら社会貢献できていると実感できているのも、ID推進センタだからこそ。マイナポイント事業のさなかにコロナ禍に入り、フルリモートによるプロジェクトの継続を余儀なくされる中、あと数カ月で事業開始というタイミングでお客さまの担当者が代わり、面識がないまま何十時間も電話で会話したこともありました。

今やりとりしているデジタル庁とも、ポイントの給付にとどまらず、マイナンバーカードを使ってどんな体験を国民の皆さんに提供できるだろうかと議論を重ねているところです。そうやってお客さまと共に新たなイノベーションを生み出していけるところにも、この仕事のおもしろさがあると思っています」

デジタルの力で実現する、行政が住民に寄り添う社会

マイナンバーカード周辺の各種サービスの実現に向けて引き続き取り組む一方、データ戦略の推進にも注力していきたいという武田。

武田 「一度提出した情報を再度提出することを不要とする、行政手続の“ワンスオンリー”の実現をデジタル庁がめざしているように、デジタル化が加速するのにともない、今後さまざまなデータが連動するような社会になることが予測されます。

安心・安全なデータのやりとりを可能にするためには、データの信頼性を確保するしくみづくりが欠かせません。ID推進センタとしても、そうしたトラストサービスの分野に力を注ぎ、トラスト基盤の構築やデータ連携のためのシステム構築などを進めていきたいと考えています」

役所での煩雑な手続きをなくしたいとの想いで公共領域を志したという武田。実現したいと考えている未来の社会像があります。

武田 「各自治体では、給付金制度をはじめとするさまざまなサービスが提供されています。ところが、自分が住む自治体にどんな制度があって、どんなサービスを受けられるのかを知らない人が少なくありません。

デジタル庁では、そうした制度やサービスに関する情報を必要とする方に自動的に提供し、意思表示するだけで面倒な手続きなしに利用できるようなしくみづくりを進めています。そうした住民に寄り添った行政のあり方こそ私がめざすもの。その実現に向けた取り組みにも、積極的に関わっていきたいですね」

※武田が所属する公共システム事業部についてはこちら

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