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CAREERS 2024.03.14

未知の領域での学びが「刺激」。最前線で生成AIに携わるデータサイエンティスト

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デジタル人財の育成と規模拡大をめざす株式会社日立製作所(以下、日立)で、データサイエンティストのトップ人財が集まるデジタルエンジニアリングビジネスユニットのData Studio。膨大なデータから価値を生み出し、お客さまのビジネス改善につなげるデータサイエンティストの集団です。中でも生成AIを活用する奥田 太郎が、未知の領域に挑むやりがいを語ります。


この記事の目次

建設会社のお客さまとともに、生成AI活用の可能性を探索

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Data Studioについて、一員である奥田は「データサイエンティストの専門部隊」と説明します。

「当社のデータ分析にまつわる仕事はいったん私が所属するData Studioで受けてから、各事業部へ展開していきます。メンバーはおよそ60人です。中でも我々のチームはもともとエネルギー・交通・通信業などのお客さまを担当する社会ビジネスユニットに所属していましたが、データ活用に関する世の中の需要の高まりを受けて、一つの部隊として集まったほうが技術や案件の共有がしやすいという考えから、業種横断の専門組織である現在の部署に合流しました」

メンバーたちは今、AIと名の付く仕事なら何でも取り組んでいると言います。奥田が携わるのは、ニーズが急速に高まってきている生成AIです。

「私が現在担当しているお客さまは、建設業です。事務部門で扱う文章には、業界ならではの言い回しやフォーマットがあり、人手で作ると時間がかかります。生成AIは『この文章でなければダメ』と完全に意図通りのものを作りたい場合には向かず、あいまいな指示を出しても答えに近い文章を作ってくれるのが特長です。それを踏まえた上で『業界知識を入れた文章の作り方はできるか』などとお客さまと話し合いながら詳細を詰め、アプリケーションのプロトタイプ(試作品)を一緒に作り上げていきます。

文章の生成を進める上で、プロンプトエンジニアリング(生成AIから得られる文章などがより望ましいものになるよう、ユーザーが入力する質問や指示を工夫すること)もデータサイエンティストが担います。内部の処理で自然言語をどう扱うかなども含めて検証しなければならないので、一筋縄ではいかない仕事ですね」

生成AIの今後について、奥田は「とくにシステム開発の分野において可能性を感じる」と語ります。

「これからは、人にとって理解しやすい指示でコンピューターが動くようになっていくと思います。今まではインターフェースをしっかり定義しなければなりませんでしたが、これからはある意味、自然言語がインターフェースになり、自然言語でシステムに指示できるようになっていくと、システムづくりの柔軟性が高まるのではないかと思います。

既存のシステムも生成AIを介して柔軟にフォーマットを合わせられるので、いろいろなシステムとの接続が楽になるのではないかと。今まで開発者が頑張って定義し、仕様を決め、作り込んできた部分の生産性が向上すると考えると大きな可能性を感じます」

事業領域の広さに惹かれて日立へ。目的を一緒に考えてお客さまを導く「奥深さ」を知る

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2020年に日立に入社した奥田。過去にはパソコンメーカーや外資自動車部品メーカー、大手総合電機メーカーでキャリアを積み上げてきました。

「新卒のころから、開発に携わりたいという思いがあったんです。前職の電機メーカーでは自動運転の先行開発を担当。機械学習エンジニアとして、ディープラーニングのモデルを車載システムに実装するための最適化などに関わっていました」

前職で働きがいのある日々を送っていた一方で、転職を志したのには理由がありました。

「技術もサービスも、私は新しいものに興味があります。なので前職では『自動運転が実現した未来っていいな』と思い、実際にやりがいも感じていましたが、関わっていたプロジェクトがなくなったのが転機となりました。

もともと自動運転だけでなくAI自体にも関心があり、ここまで自分がおもしろいと思える技術があるのなら、徹底的に活用できる新天地を探そうと。そんな時、目にしたのが日立の求人でした。事業領域の広い会社で、AIに存分に携わってみたいと思ったのです」

日立入社後は、社会システム事業部と、社会ビジネスユニット デジタルイノベーションセンタを経て2023年春に現在の部署へ。最新技術の第一線で道を切り拓いていく生成AIの案件に対し、奥田は「難しさとおもしろさの両方がある」と実感を込めます。

「『生成AIを何かに役立てたいが、何にどう使えばいいか分からない』と目的を具体化していないお客さまに対し、こちらが『何か』を提案しなければならないことには苦労しました。さらに、『日立ならでは強みはなんですか』と聞かれることもしばしばあります。

生成AIは単に技術や基盤そのものを提供するだけではなく、組織として、お客さまの要望をかなえられる体制づくりや準備をしなければなりません。生成AI案件の引き合いがかなり増え、どの会社も担当できる人財が不足する中、まずは詳しい人財をいかにアサインできるかどうか。当社の場合は、他のプロジェクトで得られた情報を効率的に取り込んでいくなど、社内で連携できることも強みだと思います」

業務の選択肢が増え、市場ニーズに敏感でいられる魅力。キャリア上の大きな学びにも

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未知の領域で試行錯誤を重ねる日々は、奥田にとって刺激的なものです。

「生成AIを組み込んだアプリケーションシステムの作り方を習得できるなど、技術面でかなり自分の血肉になっていると実感しています。そもそも『今の時代はこういうことができるんだ』『このような実装がかなうのか』などと学べること自体がおもしろいですし、『次に取り組む際にはもっと早くできるようにしたい』という意欲も湧いてきます。一方で日々勉強し、脳内をアップデートしていく作業も欠かせません。それも含めて、楽しいと思えるかどうかですね」

データサイエンティストとして、アプリケーションの開発部隊とともに仕事をする中で、価値観の変わる出来事もあったと言います。

「アプリケーションを手がけるにあたり、開発部隊と協力してプロトタイプを作っていくのですが、仕様をしっかりと決めると同時に、検証も進めなければならないのです。私は当初、『仕様は検証してからでないと決められないのでは』と疑問に感じていました。

しかし、しだいに『新しい技術を実際に動くものに落とし込んでいくためには、それも必要なプロセスなのかもしれない』と思うようになりました。自分自身の考え方を変えていかないと、アプリケーションの開発はうまく進められないなと。今では、新しい体制で開発と検証を同時に進めていくことに、手応えを感じています」

日立でデータサイエンティストとして活動する魅力について、奥田はこう口にします。

「当社が関わるお客さまの分野は実に多様です。我々としては業務の選択肢が増えますし、さまざまなデータに接することができます。さらに、お客さまが何に力を入れているのか、何に投資しているのかが分かるので、世の中のニーズに常に敏感でいられるのも魅力。そこには大きな学びがありますし、自分自身のキャリア形成を考える上でも今後何に注力すべきかがおのずと見えてくると思います」

変化する社会課題に対して自分が担える事をもっと広げたい。お客さまのビジョンの具体化に全力を

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経験者採用で入社して4年目を迎えた奥田。日立での挑戦は始まったばかりです。

「社会課題は時代によって変化していくと思いますが、その時々の課題に対し、自分が担える範囲をもっと広げていきたいのです。

今進めているアプリケーションのプロトタイプ開発については、開発部隊の考え方や実装を学びながら進められているのでやりがいがありますが、ゆくゆくはひとりでできるぐらいのスキルを身につけていきたいと考えています。そうすれば、お客さまのまだ明確になっていないビジョンのようなものを具体化していく作業により注力できるでしょうし、私の提案内容ももっと充実したものになると思います」

さらに、お客さまへの価値の提供という観点では、開発した後が重要だと言います。

「ひとつのプロジェクトで検証やプロトタイプの開発をして終わり、ではいけないと思っています。新しい機能を盛り込み、ユーザーであるお客さまに使っていただきながら改善策を考えていく場合、開発者が運用側に寄っていき、継続的な改善体制を整えていかなければならないのではないかと。実際にご使用いただくことで価値が評価され、そのフィードバックを受けられるようになれば、いっそうの進化につながるはずです」

転職を重ね、日立での勤務がまだ長くない奥田ですが、与えられた活躍の機会を存分に生かしてきました。新たなチャレンジをめざし、就職・転職を視野に入れる人たちに向けてこんなメッセージを送ります。

「皆さんがもし今の仕事で疑問を持った場合には、外に目を向けてみるのも選択肢のひとつかもしれません。今の時代、転職は珍しくありません。大事なのは変化を恐れないことです。

日立でいえば副業制度をはじめ、社員が希望する職場に直接異動を申請できる社内FA(フリーエージェント)制度や、他部署の求人に応募できるグループ公募制度などがあり、社員の望む『変化』にも対応できる会社だと思っています。そんな当社に関心を持っていただけたらうれしいですね」

※ 記載内容は2024年2月時点のものです

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