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BUSINESS 2023.04.14

データの収集・可視化でコアコンピタンス創出を支援。IoTの力で生み出す新たな価値

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グローバルIoTビジネスを支援するIoT活用サービスを提供してきた株式会社日立製作所(以下、日立)のHitachi Global Data Integration。そこでフロントSEとして新たなビジネス価値の創出に貢献してきたシャクール・ナウシャドが、同プロジェクトの概要や導入事例、日立で働く魅力を語ります。


この記事の目次

データの利活用のためのしくみを提供し、グローバルなIoT活用をトータルでサポート

日立では、グローバルなIoTビジネスに必要な機能をトータルでサポートするIoTサービスHitachi Global Data Integration(以下、HGDI)を提供しています。これは、一元的な回線の制御・管理機能や、データ収集・蓄積基盤といった、モノを通じてデータを収集し利活用するための基盤機能を備えたSaaS型のサービスです。

シャクール 「HGDIが手がけるのは、SaaS型、マネジメント型のIoTプラットフォームです。稼働情報や障害情報などをさまざまな産業機器からモバイル回線を介して収集・蓄積し、そのデータを整理して可視化するサービスを提供しています」

HGDIが体系化され、サービスを開始したのは2020年。背景には、データ利活用によるお客さまとその関係企業との接点強化に課題を抱える企業のニーズがありました。

シャクール 「エンドユーザーに産業機器を供給するメーカー側には、製品の販売後にも引き続き製品を遠隔監視し、継続的なサービス提案につなげたいというニーズがありました。ただ、製品の販売先が複数の国・地域にまたがる場合、国・地域ごとに通信キャリアが異なるため、データ収集するためのモバイル通信回線を確保する必要があるほか、データ収集・蓄積システムを構築・運用したり、法規制対策したりと、多大な工数とコストがハードルとなっていたんです」

グローバルなIoT回線・管理機能を提供するHGDI。そのお客さまは国・地域も業界もさまざまです。

シャクール 「2022年に空気圧縮機の製造・販売を手がける北米の空気圧縮機メーカーSullair社のコネクテッドサービス事業に採用されました。また、直近では中国の空気圧縮機メーカーでもパイロット運用が始まったばかり。パイロットで使用している空気圧縮機は世界的な飲料メーカーの工場です。パイロット後、3月末ごろから中国で商用サービスが開始される予定です。

一方、国内の冷凍冷蔵車運行業界にもHGDIが導入されています。低温保存が必要なコロナワクチンを輸送する冷凍庫を監視する際にも活躍しました」

課題を克服し米国企業へのサービス導入を実現。業務の効率化や環境負荷への低減に成功

HGDIプロジェクトが動き出したのは2019年。その経緯をシャクールは次のように振り返ります。

シャクール 「社会・通信ソリューション本部デジタルソリューション推進部では、国内の通信業界のお客さまを長く担当してきました。当時、私はフロントSEとしてコネクテッドカーのためのプラットフォーム開発をしていたのですが、通信技術のノウハウを活用してデータ収集・蓄積から可視化まで一貫して手がけるサービスを立案しようと立ち上がったのがHGDIです。

我々にとって最初のお客さまとなったのが、Sullair社。グローバルなIoT回線・管理機能を提供し、IoTデバイスのデータをすばやく収集・蓄積・可視化することができるHGDIは、データの利活用によって業務の効率化やユーザビリティーの向上につなげたいと考えていたSullair社がまさに求めていたソリューションでした」

プロジェクトは最初から円滑に進んだわけではありません。大きく3つの課題に直面したと言います。

シャクール 「最初の課題は、産業機器業界の知識がなかったことでした。我々が専門とするのはIT。私のグループは過去にOT(Operational Technology)関連のプロジェクトに参加しておらず、その業界の知見が皆無だったため、Sullair社の製品が稼働する工場で働く方々の声を拾うなどしながら業務への理解を深めることで、お客さまが抱える課題解決への道筋を探る必要がありました。

2つめがコミュニケーションです。Sullair社は日本の企業と協業した経験がなく、我々と意思疎通を図ることに不安を感じていました。直感的に操作できるようなGUIを設計するなど、お客さまとサービスを協創する姿勢でシステム設計に取り組まなければなりませんでした。

最後が商流や法規制です。GDPR(EU一般データ保護規則)対応、データの所有権、運用支援のプロセスなど、サービスの構成や仕様の組み立てにかなりの時間をかけました」

徹底してヒアリングを重ねながらお客さまの信頼を獲得していったというシャクール。サービス導入後、Sullair社は製品メンテナンスを効率化するなど、最適なソリューションを実現していると言います。

シャクール 「3つの成果がありました。1つは継続的な収益化です。機器の稼働状況を遠隔監視し、リアルタイムで状態を把握できるようになったことで、機器が故障する前に純正パーツの交換をエンドユーザーに提案することが可能になりました。メンテナンスにかかっていた時間の削減にもつながっています。

2つめが環境問題です。エアフィルターやオイルの交換を最適なタイミングで実施することで、CO2や温室効果ガスの排出量の削減が可能になりました。環境への負荷が低減され、循環型経済社会の実現に貢献していると言えるでしょう。

3つめが安定稼働の実現です。機器が突然故障すると、工場の生産ラインが止まってしまいます。不具合の予兆診断・予兆検知を可能にしたことで機器のダウンタイムが減少し、お客さまはもちろん、エンドユーザーにとってのロス発生も回避することに成功しました」

グローバル・技術力・フレキシビリティ——日立の経営戦略を支える3つの強み

HGDIプロジェクトを通じて、日立の魅力をあらためて実感したというシャクール。グローバル・技術力・フレキシビリティの3つの強みについてこう述べます。

シャクール 「私は英語と日本語を話しますが、グループ内にはドイツ語やスペイン語、中国語ができるメンバーもいます。先ほど、中国でのプロジェクトの話をしましたが、イタリアのお客さま向けの提案も進行中です。グローバルなIoTビジネスの展開に貢献できている実感があります。

HGDIが社会イノベーションの一端を担えているのは、日立の技術力の高さがあるからこそ。当社はITの分野で高い技術を誇っており、電力などのエネルギー、通信、高速鉄道を含む鉄道関連といったさまざまなシステムを支えてきました。最先端技術を取り入れるスピードも速く、世界のビッグプレイヤーと対等に戦えるだけの技術力があると思っています。

社会の変化にフレキシブルに対応できるのも日立の魅力です。例えば、コロナ禍でリモートワークをすばやく導入したのには驚きました。私の友人が勤める他の企業ではプロジェクトが停滞する中、いち早くフルリモートで商用サービス開始するなど、良い意味で大企業らしくない柔軟性があると感じています」 

日立には日本の大学院卒業後に新卒で入社し、2023年でちょうど10年目を迎えるシャクール。働く環境としても魅力を感じていると言います。

シャクール 「グループ内にはソフトウェアにハードウェアの専門家、コーディングに長けた人、クラウド環境に強い人など、さまざまなスキルやノウハウを備えた人がいます。また、そうした高い技術をかたちにすることができるのは、プロジェクトを推進していく能力がある人がいるから。とても刺激的な環境で仕事ができています。

教育プログラムが充実しているのも日立ならでは。例えば、ラーニングマネジメントシステムHitachi Universityを展開していて、技術はもちろん、ビジネススキルやコンプライアンススキルなども含め、幅広く学べる研修が用意されています。“教育の日立”とよく言われますが、その通りですね。

また、失敗や間違いから学ぼうとする風土や、新しい業務への挑戦を後押しする文化があり、気がつくと自然にスキルアップできているのも日立の特徴です。グローバルに事業を成長させていく上で必要な人財育成のしくみが整っていると思います」

持続可能な社会の実現に向けて、日立だからできることを

企業が急速な変化への対応を迫られる中、さまざまな社会課題を解決する上で、IoT化によるデータ利活用が今後ますます重要となっていくことは明らかです。プロジェクトの一員として、シャクールはHGDIのこれからについて次のように展望を語ります。

シャクール 「これまでの成功事例や実績をもとに、IoT化をますます推進していきたいと思っています。産業機器だけでなく、半導体や物流、医療の現場など、幅広い業界で当社のサービスを使っていただきたいですね。

お客さまの中にはIoTの知識を広げている途中の方も少なくないので、我々のサービスのメリットを理解いただいていないのが現状です。HGDIのソリューションは、迅速かつ容易、また低コストで導入できることも大きな特徴。技術をはじめあらゆる面でお客さまをサポートしながら、利用価値をアピールしていきたいと考えています」

また、持続可能な社会の実現にも目を向けるシャクール。思い描いているのは、日立がデータとテクノロジーによって社会インフラを革新する未来です。

シャクール 「業務が効率化されるだけでなく、当社のIoT活用サービスによって環境負荷が低減されることはすでにお話した通りですが、IoT化が進めば、さまざまな社会問題の解決につながると考えています。

例えば、物流業界や建設業界で大きな課題となっている2024年問題。遠隔操作によって機器の稼働状況を効率的に確認できるようになれば、労働力不足問題への貢献は大きいはずです。

アメリカのビッグテックのように目立ちはしませんが、日立は人々の豊かな生活を陰で支えている企業です。私が日立で働くことを選んだのも、幅広い分野で社会インフラを手がけていることが理由でした。そのことをもっといろいろな人に知ってほしいですね」

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