メーカー系SIerを経て、2022年に入社したバニア ロレナ クアドラ カスタニエダ。現在は運用保守をメインに、提案活動などにも携わっています。前職でPMを務める中でSEとしての経験不足を痛感し、技術を本格的に身につけたいと株式会社日立製作所(以下、日立)を新天地に選んだバニア。同社でエンジニアとして働く魅力を語ります。
キャリア10年目の決意。エンジニアとして飛躍するため、日立へ
建築技術者の父の影響と母の助言により工学系の進路を希望し、機械科に進み、大学院では自動車の制御技術を学んだバニア。研究の過程でシステム開発に興味を持ったことをきっかけにITエンジニアを志し、メーカー系SIerに入社しました。
「中学生のころから出身国ペルーの発展に貢献したいと思っていました。『国が発展していくためにはインフラが欠かせない』と父からよく聞かされていたので、安全な暮らしを守る消防などのシステムやネットワークインフラも人々の生活に欠かせないと考え、社会基盤となるネットワークや公共系システムを多く手がけている点に惹かれてその会社を選びました」
入社後、バニアは消防デジタル無線システムを担当し、3年目に早くもPMに抜擢されます。5年目には市町村デジタル防災無線システム、消防指令システムの提案活動にも携わるなど、若くして上流工程を経験し成長を重ねました。
「PMを任され、計画通りにプロジェクトメンバーに仕事を進めてもらうことの難しさを初めて思い知りました。本格的にコミュニケーションについて学ぶようになったのは、提案活動に関わり始めたときのこと。当時の上司が私の書いた文章を一文ずつ確認して言葉の使い方について指摘し、『コミュニケーション能力が不足している』と反省を促されたことがきっかけでした。
ビジネス書を読んだり、動画を観たりしながら、相手にわかりやすく伝える力や共感を生む力に磨きをかけていきました。思うように進まないからといって感情的になることの無意味さを理解したのもこのころです」
その後、管理能力が高まった一方、開発経験がないためにPMとして超えられない壁を感じるようになっていったバニア。技術を本格的に身につけられる環境を探していて、キャリア10年目に出会ったのが日立でした。
「PMとしてシステム開発をリードしていく上で、実際に手を動かすSEやプログラマーの方々との信頼関係は欠かせません。ところが、当時の私には技術に関する知識が少なく、彼らと対等に会話ができない状態でした。このままPMを続けていても良いシステム開発はできないと考え、転職活動を始めました。
業務手順やマニュアルが体系化されていること、国全体に関する規模の大きい案件に携われる会社に的を絞っていたところ、エージェントから紹介されたのが日立。SEや開発経験者が対象でしたが、無理を承知で選考に臨んだところ、ありがたいことに採用していただき現在に至っています」
運用保守をメインに提案活動などにも従事。新しい経験が視野を広げるきっかけに
入社後、バニアが担当してきたのは運用保守。ベテラン社員による手厚い指導のもと、システムの基礎知識を学んできました。
「システムの運用保守の業務では、一見シンプルに思える操作、たとえばコンピュータ上でクリックする動作ひとつにも細心の注意を払う必要があります。さまざまなシチュエーションやルールを考慮しながら手順書を作成するなど、これまでの仕事との向き合い方を大きく変えなければなりませんでした」
慣れない業務に苦労する場面が多かったと話すバニアですが、一方で得意とする管理業務でバリューを発揮してきました。
「私が所属していた運用チームでは、プロジェクトを管理するためのツールが定型化されていませんでした。チームメンバーと話し合い、Teams上での課題管理やWBSの導入を進めました。担当者ごとに作業レベルまで展開していくことで各作業の見える化を実現。現在もそのときの課題管理やWBSを使っています」
また、運用保守を経験したことでこんな学びも。
「前職でPMをしていたとき、プロジェクトを運用保守の担当者に引き継ぐ際、にシステムについて説明を求められてもうまく対応できないことがありました。実際に自分が運用保守を担当してみて、システムのクセや定期的に対応すべき作業、注意してほしい点、操作のエビデンスを残すフォルダの構成、ログの保存期間など、彼らが知りたいと思っていたことがいまはよく理解できます。
運用保守の考え方や立場が飲み込めたことで視野が大きく広がりました。とても貴重な経験ができていると感じます」
入社から2カ月目には提案活動も担うようになったバニア。わずか約1年のあいだに、活躍の幅を着実に広げています。
「アプリケーション開発の要望があったことを受け、必要な機能や使い方についてお客さまにヒアリングしながら、提案を進めていきました。今後、別の開発プロジェクトに参加し、開発業務の取りまとめ役を任せていただきます。開発という未経験の業務に携われることを今から楽しみにしています」
日立ならではの成長環境がエンジニアとしてのキャリアを後押し
エンジニアとしてのスキルアップをめざして日立に入社して2年目。同社には期待していたとおりの環境があるとバニアは言います。
「日立では業務手順やルールが明文化され、マニュアルが整備されています。技術を体系的に学ぶのにとても適した職場だと思っています。
また、私の主業務は運用保守ですが、提案活動などにも参加させてもらえるのは、社内に高い知識や技術を持った方々がたくさんいる日立だからこそ。運用保守に当たるときも提案活動をするときも、経験が豊富な方のもとで仕事ができるので、働きながら無理なく技術を学ぶことができています」
一方、社内制度に支えられた場面も多いと話すバニア。
「上長との定期的な面談にとても助けられました。転職して間もないころは言いたいことをなかなか口にできないものですが、2週間に1度かならず話す機会が設けられたことで、困り事や悩み事を溜め込まずに済みました。私の適性を見抜いて提案活動への参加を打診してもらったのも1on1でのこと。万全のサポート体制があるのも日立の魅力のひとつだと感じています」
また、教育制度が充実しているのも日立ならでは。社内向けラーニングマネジメントシステム「Hitachi University」を活用して学んだことが業務で役に立ったこんな出来事もありました。
「先日、データ抽出する業務があり、講座で勉強したSQLの知識を活用して自分でクエリを組んでみたんです。それを協力会社の方に確認してもらってフィードバックをいただき、さらに練り上げて上司に提案しました。
結果、私が提案した内容はデータを抽出するのに不十分ではありましたが、1年前までクエリを実行した経験さえなかった私にとっては大きな進歩。その後、上司や同僚の方の力を借りて試行錯誤して最終的にSQLを実行できたときは、小さなことですが、感動を覚えました」
エンジニアとして技術に磨きをかけ、PMとして再びプロジェクトをリードできる存在に
持ち前のコミュニケーション能力を生かしながら着実に成長を遂げてきたバニア。かつての自分のように日立でスキルアップをめざすキャリア人財に向けてこんな言葉を送ります。
「私が携わる運用保守のプロセスは体系化されており、業務手順やルールが明確に定められています。決められた業務手順やルールがあるからこそ、事故を起こすことなく仕事をスムーズに進められます。自由度が低いと思うかもしれませんが、心配しなくても大丈夫です。新しいアディアを受け入れてくれる方々はいます。私の場合、上長や運用チームのメンバーと一緒に新しいことにチャレンジし、お互いの意見や共感を大切にしながら、楽しく働いています。
時代の流れに合わせて組織は絶えず変化していますし、また変わろうともしてきました。組織を変えていきたいと意気込みを持った方にとって、日立は挑戦しがいのある会社だと思います。
また、さまざまな経験やバックグラウンドを持つ多様な人財が在籍しているのも日立の特徴です。学びたいことが明確にある方にとって、またとない環境だと言えるのではないでしょうか」
そんな彼女のいまの目標は、PMを務めること。明確なキャリアパスを描いています。
「SEとして技術知識を身につけた暁には、いずれはもう一度PMに挑戦してみたいと考えています。以前と比べてお客さまにどれだけ寄り添った会話ができるのか、そのときどんな景色が見えるようになっているのか、いまからとても楽しみです。その先に、発展途上国の未来に貢献するという夢を叶えることができると信じています。
運用保守を担当しているシステムへの理解をまずは深めていくつもりですが、この後に私と同じ道を辿る方のためにマニュアルが拾いきれていないところを補うなど、組織に貢献できる存在になっていきたいですね」
※ 記載内容は2023年9月時点のものです